ワークフローシステムを導入することで得られるメリットのひとつである「稟議・決済手続きの工数削減」について説明します。紙ベースの稟議書は作成だけでなく、決裁手続きまでの時間、工数が著しく大きいことが課題です。ワークフローシステムを導入することによって、どのようなメリットがあるのか、具体的な事例とともに紹介します。
ワークフローシステムはシンプルな操作性で専門的な知識を必要とせず、誰にでも簡単に稟議書の作成ができます。紙ベースの帳票を作成するのと同様の感覚ですぐに稟議書を作成することができ、ボタンひとつで回覧者、承認者に回すことが可能です。
承認ルートも簡単に選択、設定できるため複雑な操作は必要なし。通知を受けた承認者は他の仕事をしていても決裁することが可能です。業務ごとに必要な承認ルートを設定しておけば、稟議ごとに承認ルートを設定することもありません。
また、過去のデータを再利用して起案することもできるため、起案業務の負担を軽減することが可能です。機能により、承認者は決裁のほか、差し戻しやコメント付きでの回覧なども行うことができます。
スマホやタブレットに対応しているワークフローシステムであれば、外出先や出張先からでも決裁処理が可能。紙帳票では何日もかかっていた決裁業務を大幅に短縮することができます。機能によっては、催促や滞留に関するメッセージにより通知することもできるため、承認者の決裁漏れを回避することが可能です。
紙帳票では、稟議書がどこまで回っているか走り回って確認する必要がありました。しかし、ワークフローシステムならシステム上で稟議書の決裁進捗状況を確認することができるため、申請業務だけに時間を取られることなく主たる業務に専念することが可能です。
稟議書の中心的なものには 「簡易立案」と「一般立案」があり、前者は課長が最終決裁を行うもので3〜4の承認段階が必要。後者は社長が決裁を行い、7~8の 承認段階が存在します。従来、こうした稟議はすべて紙ベースで行われていたため、最終決裁が下りるまで時間がかかりがちで、どこで稟議が止まっているか誰もがわかる状態ではありませんでした。
また、こうした稟議書類は最終決裁が完了したあとに再確認するケースがしばしばありましたが、年間1万2千件に上る稟議申請書の山の中から、当該書類を探し出すのは担当者にとって大変負担の大きい仕事となっていました。
ワークフローシステム導入後、決裁手続きは確実にスピードアップしました。決裁完了までのタイムスパンが、従来は日にち単位だったものが時間単位になっています。一例をあげると、朝方提出した1件稟議申請書は、午前中の3時間で最終承認者である上長の決裁を終えることが可能となりました。
上長の一人は午後から出張の予定で、紙ベースだったらたぶん来週までに決裁が下りることは難しかったでしょう。本当にありがたいシステムで、もう紙の時代には戻れないというのが正直な感想です。
参考元:羅針盤ワークフロー(https://www.system-exe.co.jp/case/exexcps-msp/)
従来は、グループウェア上に保存されている申請フォームに必要事項を入力後、印刷し上長などの承認者に印鑑をもらうため回っていました。異なる事業所間では、申請書をファックスや社内便でやりとりが必要となります。
また、申請書の提出先となる部門では、その内容を台帳に記入して管理しており、全社的に大きな時間と労力がかかっていました。例えば、営業担当は申請手続きのために会社に戻らなければいけなかったり、上司が出張に行ってしまうと承認が滞ったり、あるいは申請書を回付している途中で行方不明になってしまったりと、問題は山積みでした。
申請書の出力、回付、台帳管理、紙の保管などがなくなり、申請書1枚あたりマイナス14分の削減効果が出たと試算しています。導入から約10カ月の現在、ワークフロー上で処理された申請書は約3,000枚。掛け合わせると、700時間もの削減に繋がりました。
申請書の内容を台帳に転記して管理する必要がなくなり、申請書の保管も不要になったことでその時間をコア業務に充てられるようにもなりました。監査で必要なときは、蓄積された申請データを呼び出すだけ済むなど、業務負担の大幅な軽減につながっています。
※サイト内に掲載しているワークフローシステムの内、Excelと互換性があり、当サイトで定めた8つの項目をクリアしている数が多いものを選出。